国語も英語もフランス語もドイツ語も必要ない。生まれたときからキーボードを使える人間などいないように,新しい言語をおぼえればいいだけだ。その言葉で,いかせてあげるよ。
音声認識によって操作するインタラクティブなアダルトDVDが登場している。視聴者はマウスに触れることなく,画面の中の女性が男性にすることをコントロールできるようになる。驚くべき心理体験になり,100倍の現実感が得られると云うが,音声認識がきちんと動作するかはまだ定かではない。
音声による操作,と云うのは,多くの人が抱いている将来的な夢のひとつかもしれない。いや,アダルトDVDぢゃなくてパソコンとかのね。MYCOM PC WEBの記事では,音声で操作できるカーナビの情報を伝えている。だがやはり問題は,カーナビにしてもアダルトDVDにしても,認識できる声に限界がある,という点だ。
音声認識の現状は,機械が人間の音声を受け取り,そのなかから登録された音に合致するものをみつけ,それを符号としてコマンドを実行する。実はとてつもなくアナログな作業工程だ。そしてそのいちばんの問題は,人間の声,は変えずに,機械にそれを認識させようとしている点だ。だって声は人それぞれで違い,また言葉も人それぞれで違う。世界中に言語は多すぎ,さらに方言などがどこにでもあり,人それぞれで話す癖を持っている。ある人の言葉が甘美に聞こえたとしても,同じ言葉を他の人がしゃべっても雑音にしかならないことがある。入力方法で,人間を優先し過ぎているのだ。キーボードを今一度みてみれば,あまりにも人間の行動から遠いインターフェイスだということがわかるだろう。機械に合わせた方が,楽なこともある。多くの人がキーボードでなんの問題もなくチャットできるように,私たちの言葉,も変える必要がある。新しい,もうひとつの言語が,必要だ。そうでないと,いつまでも夢のまま。
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